[行程]3月5日 コーンケン→(列車)→ノーンカーイ(泊)
3月6日 ノーンカーイ→(バス)→シーチェンマイ→(バス)→ノーンカーイ(泊)
列車で終点・ラオス国境の町へ メコンに沈む夕日 日本人旅行者H氏
シーチエンマイ /3月5日〜6日のデータ
◆列車で終点・ラオス国境の町へ
5日の朝、すっかり顔なじみになったホテルのオーナー氏とボーイ君たちにお別れを言って、国立博物館へ行った。さほど大きな博物館ではないが、有名なバーンチエン遺跡からの出土品がメインに展示してある。バーンチエン土器は赤い素焼きに独特の渦巻き模様が特徴の、素朴な味わいのあるものだった。これ以外には、この地方の農具、家具、織機など生活用品が多数展示してあり、とくに農具などは日本と共通するものも多く、興味深い。博物館の中庭もきれいに整備されて公園のようになっているので、しばらくボーっと眺めていた。
14:18発の、バンコク発ノーンカーイ行きの快速列車に乗る。コーンケン駅で切符を買うと、運賃の35Bだけ請求された。快速料金20Bは不要らしい。終点が近い列車だからか、普通列車が少ないからだろうか。車窓の景色は、赤いラテライトの大地が地平線の彼方まで続いている。ところどころ木がポツンポツンと一本ずつ立っている。稲刈りが終わって乾燥しきった田んぼには、株が黄色く立ち枯れて残っている。たまに田んぼに火をつけている光景に出くわすが、すぐに窓を閉めないとススが入ってきて、服が真っ黒になってしまう。乾季の空は澄み渡り、雲は一つもない。実に広大なコラート平原だ。

17:00、定刻通りノーンカーイ駅に到着する。駅にはサムローの運転手が多数待ち構えている。こういう時はその人混みをかき分け、少し離れたところにいる運転手と交渉すると、安く行けることが多い、と経験的に思う。この街には3輪バイクの後ろに座席をつけた、バイクサムローがたくさん走っている。バンコクやチェンマイでは見かけない乗り物だ。一台のバイクサムローに乗せてもらい、ホテルに荷物を降ろすと、早速メコン川を見に行った。
◆メコンに沈む夕日
メコン川はホテルのすぐ裏を流れていた。間近に見る初めてのメコン川、思ったより狭い。対岸のラオスがすぐそこに見える。川沿いに5分ほど歩くと、ラオスとタイを結ぶ「国際航路」の船着き場があり、渡し船が何艘か停泊している。これに乗れば数分でラオスへ行けそうだ。しかし、東西冷戦の真っ最中のこの時代、ラオスはまだ鎖国状態で外国人に門戸は開放されていなかった。すぐそこなのに行けない、国境というものの人為性、不合理性を痛感した。

ちょうど日没の時間になった。メコンの水と乾いた空を赤く染めて、しだいに輝きを失っていく太陽が沈んでいく。川と空の色をよく見ていると一刻一刻変わっていく。
周りの景色がだんだん白黒になっていく。こんな景色を時間も忘れてボーっと見ている。
気がつくと同じようにボーっと見ている人が他に何人もいた。毎日こんな風景を見えるとは、
ここの人がうらやましい。
川沿いの食堂で、メコンの残照を楽しみながら、その景色をつまみにビールを

奮発して飲む。うまい。対岸のラオスでは、電灯がところどころつ始めた。車がヘッドライトをつけて川沿いの道を走る様子もよく見えた。ちなみにこの食堂は、東北タイにしては珍しく英語のメニューがあった。この景色を見にやってくる外国人も多いのだろうか。
夕方は涼しいが、2、3日前よりずいぶん暖かくなってきた。
◆日本人旅行者H氏
翌
6日、部屋を出るとホテルのおばさんに、「さっき日本人が来たよ。○○号室だから会いに行きなさい。」と教えてくれる。こういう時は正直迷う。一人に時間を楽しんでいる旅行者のじゃまはしたくない。この時はおばさんの行為を無視しては申し訳ないし、ずっと話していない日本語を話したいという衝動もあって、失礼を承知に部屋を尋ねてみた。すると親切にも話に乗ってくれ、いつの間にか、この日一日一緒に行動することになった。
このH氏は30歳前後、半年以上インドとスリランカを旅行して、今朝ノーンカーイへ夜行列車で着いたばかりだという。とにかく筋金入りの旅行者で、半年間日本で仕事をして旅行資金をためて旅行に出かけ、資金が底をつくとまた日本へ帰り仕事をして資金をつくる、ということを繰り返しているそうだ。いちばんたいへんだったのはアフリカでB型肝炎にやられ、バンコクで動けなくなって1か月ほど安静にしていたそうだ。今でもアルコールは飲めないと言っていた。

ホテルのおばさんが「仏像がたくさんあるところがあるよ。おもしろいから行っておいで。サムローで行けば1人20Bだよ。」と勧めるので、いっしょに行ってみることにした。町はずれのその場所は、たしかに仏像やヒンドゥーの神々の像がたくさん立っているが、無造作に並んでいて統一性がないうえに、新しいのか何となく安っぽい感じがする。帰国後しばらくするとこの公園のことがガイドブックにも載り始めた。それによるとここは「ワット=ケーク」と呼ばれ、去る有名な高僧が仏教=ヒンドゥー教の世界観を教えるために建造したものらしい。その高僧は1996年に亡くなったというから、私たちが尋ねたこの時はまだ存命中だったようだ。そういえばこの時まだいくつかの像は造りかけだった気がする。
◆シーチエンマイ
昼食後、H氏と一緒にヴィエンチャンの対岸・シーチエンマイという街にローカルバスに乗って出かけた。小さな街で5分も歩くとだいたい地理がつかめるほどだ。歩いていると、春巻を捲く丸いライスペーパーをあちこちで干しているのに気づいた。ヴェトナム系の人が多いのだろうか?
メコン川沿いの食堂に入って間食をとる。するとこの食堂を手伝っている女の子3人(うち2人は16歳と言っていた)がやって来て、同じテーブルに座って話しかけてくる。写真を撮ったり、辞書を引きながら話したり、と楽しい時間を過ごした。
帰りはウドーン行きのバスに乗り、途中でノーンカーイ行きに乗り換える。バスを降りてソンテウでノーンカーイに向かった。途中でふと空を見ると、星が降ってきそうなくらいだった。とにかくあたりは真っ暗闇だった。

ノーンカーイへ着くと、お祭りみたいなにぎやかな催し物をやっていた。入場料10Bを払って中へ入ると、ノーンカーイ県や軍の活動の紹介パネルがあったり、移動遊園地が出ていたり、決してうまくないバンド演奏があったり、もちろん屋台もたくさんあり、人出も多かった。その一角に、なんと実弾を撃たせてくれるコーナーがあったので試してみた。こんな街中の広場で実弾なんか撃たせていいのかどうか、タイはいろんな意味でおおらかな国だ。弾を買うと、軍人がそばについて教えながら撃たせてくれる。まず22口径のピストルを5発撃つ。向こうの的を狙うのだが、なかなか当たらない。次にM16というライフルを撃ってみた。銃身が長いのでこれなら的に当たったが、撃つ時の反動が結構あって驚いた。弾はピストルが1発4B、ライフルが1発5Bなので、合計45Bで貴重な経験ができた。
【3月5日〜6日のデータ】
3月5日
朝食 カーオ・ラートケーン 10B。
10:30ころ コーンケン国立博物館 入場料 5B。
徒歩でコーンケン駅まで。駅で昼食 パン+コーラ 10B。
14:18 コーンケン駅発、17:00 ノーンカーイ駅着。3等35B。快速列車だったが、快速料金は不要らしい。
駅からバイクサムローで数分、5B。
プーンサップホテルにチェックイン。シャワー・トイレ付、ベランダもある。1泊80B。
夕食 メコン川沿いの食堂で ビール+カオパット 60B。
3月6日
午前中 Hさんとワット=ケークへ、自転車サムローで50B。帰りは約1時間歩く。
昼食 バスターミナル付近の食堂 バミーナーム 10B。
13:30 ノーンカーイ発のバスに乗る。15:00すぎ シーチェンマイ到着 13B。
メコン川沿いの食堂で間食 カオ・ラートケーン+お菓子+水 2人で33B。
17:15 シーチェンマイ発、ウドーンターニー行きのバスに乗る。この時間はノーンカーイ行きがもうないらしく、ウドーンターニー行きで途中乗り換えしなければならない。乗り換え地点まで 10B。
19:00 バスを降りしばらく待つとノーンカーイ行きのソンテウが来る。ノーンカーイまで5B。
19:30ころ ノーンカーイ着。お祭り(?)の見学(入場料10B+ピストル・ライフル射撃代45B)
夕食 お祭り会場内の屋台 バミーナーム 9B。
宿泊 同前 80B。
1B=約7円